労働契約法の基本 その目的とは?

労働契約法とは労働者と使用者が対等の立場で労働契約を締結できるようにするため、労使対等の合意の原則や、権利濫用となる懲戒や解雇は無効とするよう定める等、労働者が不利益とならぬようトラブルから守ることを目的としています。

労働契約の5原則

労働契約法では、労働契約の基本的な理念及び労働契約に共通する原則を定めています。

労使対等の合意原則労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結、変更すべきもの
均衡考慮の原則労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結または、変更すべきもの
仕事と生活の調和への配慮の原則労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和(ワークライフバランス)にも配慮しつつ締結し、または変更すべきもの
信義誠実の還俗労働者及び使用者は、労働契約を遵守し、信義に従い誠実に、権利を行使しおよび義務を履行しなければなりません。
権利濫用の禁止の原則労働者及び使用者は、労働契約に基づいて権利を行使する場合は、それを濫用してはなりません。

労働者及び使用者は、労働契約を締結の際は上記原則に則り行動しなければなりません。

また、使用者は労働やに提示する労働条件および労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにしなければなりません。

期間の定めに関わらず、可能な限り書面での確認・説明を行うようにしましょう。

その他、使用者は労働者の生命や身体への安全及び心身の健康面に十分配慮する義務があります。(安全配慮義務)

労働者が負傷・病気・死亡などに至ってしまった場合、それらが使用者の安全配慮義務違反によるものと判断されると、使用者は労働者に対して損害賠償責任を負うことになります。

労働契約の成立・変更

労働契約は労働者と使用者が下記の2点に合意することで成立します。

  1. 労働者が使用者に使用されて労働すること(労働者の労働義務)
  2. 使用者が賃金を支払うこと(使用者の賃金支払い義務)

また、個別労使間で特に合意の確認がされていない労働条件に関しては就業規則の内容に準ずることとなります。

そのため、労働者は一度就業規則の内容を確認しておくことをお勧めします。

一方、就業規則も①合理的な労働条件が定められていること②その就業規則が労働者に周知されていることを条件に有効であるとされているので、使用者はこの2点を満たすよう正しく運用することを心がけてください。

もし、個別の労使間で定めた労働条件が就業規則の内容と相違している場合は個別で定めている労働契約の内容が優先されます。(就業規則より劣悪な条件ではない場合に限ります。)

また、労働条件は個別労使間で協議の上、双方合意であれば変更することが可能です。

合意がない場合は、もともとの労働条件での契約が継続します。

労使間での合意をとらずに労働条件を変更する方法として、就業規則を変更して労働条件を変更する方法があります。

労働契約法ではその際に一定の制限をかけています。

就業規則の変更による労働条件の変更

原則使用者は、就業規則を変更することにより労働者の不利益となる労働条件の変更をしてはいけない
例外①変更後の就業規則を労働者に周知する
②就業規則の変更が合理的なものである
上記2点を満たす場合は不利益変更が認められます。

《合理的かどうかの判断基準》
・個別の労働者の受ける不利益の程度
・使用者にとっての労働条件の変更の必要性 例)企業業績の悪化など
・変更後の就業規則の内容の相当性 例)変更内容全体の相当性をいい、労働者に対する代償対応の有無や社会に
                   おける一般的な状況等も考慮
・労働組合等との交渉状況
・その他就業規則の変更にかかる事情

就業規則で定める基準に達しない労働契約は、その部分については無効となり、無効となった部分は就業規則で定める基準に則ります。

また、法令や労働協約(労働組合と使用者との間で合意した内容を書面にしたもの)に反する就業規則は、反する部分については無効となり法令及び労働協約の内容が優先されます。

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