労働基準法について学ぶ ④契約期間

期間の定めのある契約=有期労働契約は、労働者と使用者を定められた期間、拘束するものです。

そのため、特別な事情がない限りは、労働者と使用者どちらも一方的な理由での契約解除はできません。

また労働基準法では、この有期労働契約での契約期間を上限3年間(原則)と定めております。

ただし、高度な専門的な知識や技術、または経験を有する者や、満60歳以上の者と有期労働契約を締結する場合、例外的に5年の契約期間が認められています。

有期雇用契約の更新

では、有期労働契約において契約期間が終了した場合はどのような対応が必要になるのでしょうか?

まず、使用者は労働者と有期労働契約を締結する際、以下の事項について明示する必要があります。

  • 更新の有無の明示
  • 更新の判断の基準の明示

この時明示した内容に沿って、契約更新するのか終了するのかを決定します。

終了する場合は「雇止め」と言って、契約を更新せず労働者は退職するという流れになります。

その場合、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

※有期労働契約を3回以上更新し、または雇い入れの日から起算して1年を超えて継続して雇用されているものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨を明示されているものを除きます。

雇止めに関するルールは下表のとおりです。

雇止め予告(義務)少なくとも期間満了30日前までに更新しないことを予告する
雇止めの理由の明示(義務)雇止め予告等をした場合は、労働者が証明書を請求したときには遅滞なく交付する
契約期間についての配慮(努力義務)有期労働契約を更新しようとする場合は、契約期間をできる限り長くするよう努力する

雇止め時は特にトラブルが起きやすくなっています。

突然の契約終了や一方的な契約の解除は違法となる可能性があるので、使用者は十分に注意しましょう。

また、労働者側は突然の解約などについてはしっかりと理由や経緯を使用者側へ確認するようにしましょう。

その内容により使用者側の違法性が疑われる場合は、雇止めが無効となる場合もあります。

ルールを把握しておき、トラブルがあった際にしっかりと対応できるようにしておきましょう。