労働基準法について学ぶ ②労働契約の仕組み
労働契約とは、
①労働者が使用者に対して労務を提供すること
②使用者がその対価として賃金・給与等の報酬を支払うこと
これら2つを両者の間で約束することを指します。
労働者は、この労働契約により定められた労働条件に従い、労務を提供することになります。
注意すべきポイントとしては、この労働契約は書面での締結のみならず両者の合意のもとであれば口頭でも成立する点です。
労働基準法では労働条件の最低基準を定め、その遵守を使用者に義務付け労働者を保護していることから、労働契約を締結するにあたっては、各労働条件は労働基準法の基準を下回らないようにする必要があります。
労働基準法の基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、労働基準法の基準に自動的に修正されます。
労働条件の明示
使用者は労働者を雇用するとき、労働者と合意した労働条件を労働者に明示する義務があります。
明示が必要な労働条件と明示の方法
明示が必要な事項 | 定めた場合に明示が必要な事項 |
①労働契約の期間 ②有期労働契約の場合の更新基準 ・更新の有無 ・更新の判断基準 ③就業場所、従事すべき業務内容 ④始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩、休日・休暇、シフト制をとる場合の事項 ⑤賃金(決定、計算、支払方法、締め切り・支払時期) ⑥退職に関する事項(解雇事由含む) | ⑧退職手当に関する事項 ⑨臨時に支払われる賃金・賞与等、および最低賃金額に関する事項 ⑩労働者負担の食費、作業用品等に関する事項 ⑪安全・衛星 ⑫職業訓練 ⑬災害補償、業務外の傷病扶助 ⑭表彰、制裁 ⑮休職 |
また、明示の方法については原則「書面での交付」、労働者が希望した場合は①FAXでの送信②電子メール、SNSメッセージ機能を利用しての送信でも問題ないとされています。
労働契約の締結は慎重に
労働契約とは、使用者と労働者での約束事です。
後々になって、「聞いていた話と違うじゃないか!」などのトラブルにならないよう、しっかりとした協議のうえで労働条件を設定するようにしましょう。
また、使用者はその際の内容を明確に確実に労働者に伝えなければなりません。
先述の通り原則は書面、希望があればメールやFAXで対応しましょう。
いずれにしても後から見返したときに内容を確認できるものを形として残し、共有しておくことが大切だと言えるでしょう。
対して労働者は、労働契約において不明瞭な点があれば必ず使用者に確認するようにしましょう。
もし使用者側から労働条件の明示がなく自身にとって不利な条件に改ざんされていた場合、指摘することはもちろん可能ですがなにかしらの大きなトラブルに発展する可能性も出てきます。
その際なかなかの手間と労力をとられてしまう場合もあるので、予め使用者とよく相談したうえで労働条件を締結するようにしましょう。
そもそもですが、労働条件をしっかりと明示してこない業者はやめておいたほうがいいと思いますが、、、