派遣と紹介の違いと最適な使い分け方
企業の採用手法として、人材派遣(派遣) と 人材紹介(紹介) のどちらを選ぶべきか悩んだことはありませんか?
その答えは、業務内容や採用の目的、タイミングによって異なります。
本記事では、両者の違いを深く掘り下げ、具体的な事例を交えながら企業がどのように使い分けるべきかを整理します。
1. 基本的な違い:雇用関係と選考プロセスの違い
人材派遣(派遣)
派遣は、派遣会社と労働者が雇用契約を結び、企業(派遣先)に派遣されて働く仕組みです。
企業側は雇用主ではなく、業務指示のみを行う使用関係にあります 。
派遣社員は派遣会社から給料が支払われ、労務管理も派遣会社が担当します 。
選考プロセスは基本的に派遣会社が行い、企業側は事前面談(顔合わせ)程度の関与が可能です。
人材紹介(紹介)
紹介は、紹介会社が求職者と企業をマッチングし、採用が決まると企業と求職者が直接雇用契約を結ぶ仕組みです 。
企業は自社の選考プロセスを実施し、採用後の労務管理は完全に自社で行います。
料金体系も異なり、成功報酬型で紹介決定時に紹介手数料が発生し、年収の30〜50%程度が相場とされています。
2. 派遣の中でも「紹介予定派遣」の位置付けとは?
派遣の中には、もっとも一般的な 登録型派遣 の他に、紹介予定派遣 と呼ばれる形態があります。
これは派遣期間中に企業と本人が相性を確認し、双方が合意すれば直接雇用に切り替える前提の制度です。。
派遣期間は最大6か月とされ、平均は約3か月程度です 。
企業にとってはミスマッチリスクを減らし、実際の業務を通じて人材のパフォーマンスを見極めた上で採用判断ができるメリットがあります 。
3. 主な違いを分かりやすく比較
比較項目 | 人材派遣 | 紹介予定派遣 | 人材紹介 |
---|---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社(最終的に企業になる場合も) | 求人企業 |
選考フロー | 派遣会社主導、企業は顔合わせのみ可 | 派遣会社主導+派遣期間中に実務確認可 | 企業が直接選考、柔軟な採用判断可能 |
雇用期間 | 有期(通常3年以内) | 最大6か月(その後直接雇用) | 無期雇用が基本 |
費用形態 | 時間単価で派遣料を支払う(マージン含む) | 派遣料+条件によっては紹介手数料あり | 成果報酬型(採用時に年収の割合) |
活用に適した場面 | 短期的な人員補充や繁忙期対応 | ミスマッチを避けたい慎重な採用 | 長期的・中長期的な雇用を前提とした採用 |
4. 企業にとっての使い分け戦略
A. 派遣(一般派遣)の活用場面
- 繁忙期のスポット対応:月末や大型案件時など、特定期間だけ即戦力が必要な場面。
- 幅広い業務対応:定型的ルーチン業務や補助業務に適している。
- 手続き・採用工数を削減したい場合:即時的に人員を確保したい際に有効。
B. 紹介予定派遣の活用場面
- ミスマッチ防止が最重視される場合:職場との相性を見てから採用判断したいケース。
- 即戦力兼定着社員を見込む場合:職場環境を体験しながら判断でき、定着率アップが期待できる。
- 選考リソースが限られている企業:派遣会社による事前マッチングとフォローで採用リスクを低減できる。
C. 人材紹介の活用場面
- 中長期的に戦力として育てたい場合:キャリア志向や即戦力を求める採用。
- 企業文化やPCへの理解が必須となる専門性の高い職種:選考フローを自社でコントロールしたい場合。
- 長期雇用を前提にした採用設計:管理職や専門職など、高い定着率が求められる場合。
5. ケース別の戦略モデル
- A社(物流業、月末繁忙期向け)
→ 一般派遣で短期スタッフを迅速に確保し、業務負荷を軽減。 - B社(IT企業、プロジェクトマネージャー採用)
→ 紹介予定派遣を活用し、職務適性やチームフィットを見てから中途採用へ。 - C社(製造業、新規中途ポジション)
→ 人材紹介を使い、自社選考プロセスを通じて長期雇用を前提に採用。
まとめ
派遣と紹介、さらに紹介予定派遣の制度にはそれぞれ明確な違いがあります。
重要なのは「採用の目的」「求めるスピード」「求めるスキル・定着性」を明確にした上で、適切な手法を選ぶことです。
- 派遣(一般派遣):スピード重視・臨時的採用向け。契約期間に制約あり。
- 紹介予定派遣:ミスマッチ防止・定着重視の採用向け。導入後の判断が可能。
- 人材紹介:長期雇用・選考主導が可能。費用は年収の割合で比較的高め。
このような使い分けができる企業は、市場の変化にも柔軟に対応しつつ、採用リスクを最小化し、効率的に人材戦略を展開できるでしょう。
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